2006/08/25

鉄腕『Atom』はRSSを超えるか? : Hotwired

鉄腕『Atom』はRSSを超えるか? : Hotwired

 じゃあAtomによるシンジケーションと、RSSによるシンジケーションでは、何が違うんだろう?

 それはいうなれば、「近代的」なプラスドライバーと「旧来的」なマイナスドライバーの違いといって良いかもしれない。世の中には、木工関係のフォーラムにあちこち顔を出しては、この互換性のない2つの道具の比較論を展開したがる人がいる。トルクの限界値やら、電動ドライバーを使ったときにがっちりねじ頭を捉えるのはどちらかだの、特許事情に製造コストなんてことをネタにしてね。でも、たいていの人は両方のドライバーを道具箱に揃えておいて、用途と使い勝手に応じて使い分けてる。

 AtomとRSSも同じなんだ。基本的な目的はどちらも同じ。つまり、コンピューターで処理できるXML形式のニュースフィードを作って、ウェブサイトのコンテンツを宣伝というか通知するためのツールなんだね。どちらの形式を選ぶかは、利用するコンテンツ管理システム次第という面が大きかったりするんだ。例えば米グーグル社の『ブロッガー』は、まだ登場したばかりのAtomフォーマットに肩入れしていて、Atomフィード専用のスターター向けテンプレートがあらかじめ組み込まれている(Atomはまだ発展途上の未完成品で、バージョン0.3までしか出ていないんだけど)。これに対して米トライポッド社の『ブログ・ビルダー』は、RSSバージョン2.0を生成する機能を提供してる。

 コンテンツ管理システムにはもう十分資金をつぎ込んだ人も、まだどれを使おうかと迷ってる人も、AtomとRSSの両方を実用的な面から理解しておくのが得策だ。RSSを作る理由やその使い方については、すべて「RSSでサイトの情報を公開しよう」で説明したから、今回はAtomに焦点を当てて解説しよう。まず、RSSがあるのというのに、どうして別のサイト・シンジケーション・フォーマットを作ったのか、ってなところから始めよう。